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名古屋地方裁判所 平成4年(わ)1241号 判決 1992年12月21日

本店の所在地

名古屋市南区南野三丁目一九番地

法人の名称

中部工業株式会社

代表者の住居

名古屋市東区泉一丁目六番一三号 サンライフマンション泉九A号

代表者の氏名

嶋田邦弘

本籍

岡山県阿哲郡神郷町大字釜村四三九番地

住居

名古屋市東区泉一丁目六番一三号 サンライフマンション泉九A号

会社役員

嶋田邦弘

昭和一〇年五月二六日生

右の者らに対する各法人税法違反被告事件につき、当裁判所は、検察官畔柳章裕出席の上審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人中部工業株式会社を罰金二〇〇〇万円に、被告人嶋田邦弘を懲役一〇月に各処する。

被告人嶋田邦弘に対し、この裁判確定の日から三年間、その刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人中部工業株式会社(以下「被告会社」という。)は、名古屋市南区南野三丁目一九番地に本店を置き、建設機械販売等を目的とする資本金二四〇〇万円の株式会社であり、被告人嶋田邦弘(以下「被告人嶋田」という。)は、被告会社の代表取締役として、同会社の業務全般を統括しているものであるが被告人嶋田は、被告会社の右業務に関し、法人税を免れようと企て、売上の一部を除外するなどの方法により、所得の一部を秘匿した上、

第一  平成元年四月二一日から同二年四月二〇日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が七五三九万四九一円であったにもかかわらず、同年六月二〇日、名古屋市熱田区花表町七番一七号所在の所轄熱田税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が一九六六万五四三円で、これに対する法人税額が二三一万二〇〇〇円である旨の虚偽過少の法人税確定申告書を提出し、そのまま法定納期限を徒過し、もって右不正の行為により、同会社の右事業年度における正規の法人税額二七五〇万二九〇〇円と右申告税額との差額二五一九万九〇〇円を免れ、

第二  平成二年四月二一日から同三年四月二〇日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が一億九九九〇万九五二九円であったにもかかわらず、同年六月二〇日、前記熱田税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が四七一八万九五九五円で、これに対する法人税額が一五七五万五三〇〇円である旨の虚偽過少の法人税確定申告書を提出し、そのまま法定納期限を徒過し、もって右不正の行為により、同会社の右事業年度における正規の法人税額七三〇二万五三〇〇円と右申告税額との差額五七二七万円を免れ

たものである。

(証拠の標目) (なお、括弧内の甲1等の番号は、本件記録中の証拠等関係カード(検察官請求部分)記載の各証拠番号を示す。)

判示事実全部について

一  被告人嶋田の当公判廷における供述

一  被告人嶋田の検察官に対する供述調書二通(乙1、2)

一  東海林敦子の検察官に対する供述調書(甲10)

一  猿渡節子(甲11)、千北嘉彦(甲12)、岩崎重幸(甲13)、首藤忠徳(甲14)、嶋田道子(甲15)、南登美子(甲16、17)、山田秀子(甲18)及び川瀬静佳(甲19、20、21)の大蔵事務官に対する各質問てん末書

一  大蔵事務官作成の査察官調査書七通(甲1ないし7)

一  大蔵事務官作成の証明書(甲22)

一  名古屋国税局査察管理課管理係長作成の「納付状況に関する回答書」と題する書面(甲25)

判示第一の事実について

一  大蔵事務官作成の証明書二通(甲8、23)

判示第二の事実について

一  大蔵事務官作成の証明書二通(甲9、24)

(法令の適用)

罰条

判示の各所為 法人税法一五九条(被告会社については更に同法一六四条一項)

刑種の選択 (被告人嶋田について)

所定刑中懲役刑選択

併合罪加重 (被告会社について)

刑法四五条前段、刑法四八条二項

(被告人嶋田について)

刑法四五条前段、刑法四七条本文、一〇条(犯情の重い判示第二の罪の刑に法定の加重)

刑の執行猶予 (被告人嶋田について)

刑法二五条一項

よって、主文のとおり判決する。

(求刑 被告会社・罰金二五〇〇万円、被告人嶋田・懲役一年)

(裁判官 大渕哲也)

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